中小企業の従業員と家族が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)愛媛支部は14日、退職などに伴い健康保険の資格を喪失した患者による受診が2015年度は2月末までに1074件判明し医療機関への支払いが約2055万円に上ったと公表した。支部は退職などが多くなる3~4月、企業に保険証の回収を呼び掛けるとともに退職者には返却を求めている。
 支部によると健康保険証は退職翌日に資格を喪失。ただ受診時に窓口で提示した場合、その場で資格の有無を確認できず無資格受診が発生するという。
 無資格受診は13年度に649件、約2100万円が判明し納付などによる収納率は53.7%。15年度の収納率は55.4%。14年度はシステム変更に伴い金額を算出できていない。
 15年度は21件で訴訟手続きに着手、2件で強制執行を実施。協会は「債権の回収にも一定の費用を要し保険財政悪化の一因になる。加入者の保険料上昇に悪影響を与える」とする。